RAID0を復旧しよう!
データ復旧業者が語る、RAID0のデータ復旧
RAIDなら安心、というのは大きな間違いです。RAID0がRAID「0」と呼ばれるのは、その特徴に大きく由来します。国内で10年以上データ復旧をしてきた当社だからお伝えできる、RAID0の特徴とその復旧方法についてご紹介します。
※RAID障害が発生している状況の場合、お電話いただければ、専門のデータ復旧アドバイザーがお客様の状況に合ったご提案をさせていただきます。
RAID0を復旧しよう!
1. RAIDなのに”冗長性がない”RAID0とは?

RAID0(通称:ストライピング)とは、2台以上のHDDを1台のストレージとして組み込み、それぞれのHDDに別々に内容を書き込むことで、同じ時間で2倍のデータ量を扱える方式のことです。
これによって処理速度の向上が可能となり、全RAIDレベルにおいて最も高速化に適したRAIDレベルになります。しかし、耐障害性は全く見込めず、そもそもRAID0の「0」とは「冗長はない」ことを示すために使用されています。
RAID0は、作業を複数のHDDに分けて行うことに適したRAIDレベルですが、下記に示すようにメリット・デメリットがあります。
RAID0のメリット
メリットとしては、構成するHDDの容量をそのまま使えるほか、データの読み書きスピードが非常に早い点が挙げられます。
RAID0のデメリット
デメリットとしては、冗長性(耐障害性)が担保できず、RAIDを構成しているHDDのうち1本でも異常が発生すると全てのデータを取り出せなくなってしまう点が挙げられます。
RAID0を復旧しよう!
2. 他のRAIDとの違い
RAID0は、全RAIDレベルにおいて唯一冗長性がありません。他のRAID5・RAID6にはデータの喪失を防ぐための「パリティ」というシステムがあり、冗長性と高速化の両方を確保しています。しかし、RAID0にこのような仕組みは全くなく、データ消失のリスクは全RAIDレベルにおいて最も高いものになります。
RAID0は、HDDの復旧ができるデータ復旧業者でないと復旧を行えません。なぜなら、RAID0の復旧には、必ず壊れたHDDを復旧させる必要があり、さらに残りのHDDと正しくRAID構成をした上でデータを復旧するため、必然的に他のRAIDレベルと比べて復旧難易度が高くなるからです。
他のRAIDレベルについては下記の画像を参照してください。

RAID0を復旧しよう!
3. RAID0で障害が起きた時にやってはいけないこと
RAID崩壊などによりアクセスができなくなった場合、さまざまな修復方法がありますが、たとえそれが正しい情報であっても、用途を間違うとデータが消失してしまう恐れがあります。特に、以下の5つの点に注意してください。
やってはいけない対応
HDDを単体で取り外し、電源を入れる

RAID0は「複数台のHDDを組み合わせることで、仮想的な1台のHDDとして運用する技術」です。そのため、異常の有無にかかわらず、RAID0に組み込まれている単体のHDDを取り外してパソコンにつなげても、中のデータを見ることは出来ません。
また、単体のHDDを特殊な状況で通電させることで情報の上書きが行われたり、フォーマットがかかるなどして、データが完全に消失するリスクもあります。
やってはいけない対応
HDDの順番を入れ替える

RAID0は、複数台のHDDに分割されたデータが一定の規則に従って保存されています。 しかし、HDDを交換する際、うっかり順番を入れ替えると保存される場所が変わってしまい、中のデータが見られなくなってしまいます。また、HDDを入れ替えることで自動的にリビルドがかかることもあり、中のデータが上書きされ、データが消失する恐れがあります。
やってはいけない対応
リビルド・データの再構築

「リビルド」は、RAID障害発生時に、安易に試してしまいがちな手法です。実際、メーカー側はRAIDに異常が発生した場合にリビルドを勧めることがありますが、そもそもリビルドの本来の目的は「HDDのRAIDに関する情報を新しく書き直して、サーバを正常に動かす」ことです。つまりデータ復旧を念頭に置いていないのです。
リビルドはHDDに非常に負荷がかかる上に成功率が低く、さらなる症状悪化を招くことがあります。
リビルドの失敗事例
RAID0に組み込まれている複数のHDDは、いずれも同時期に製造されているため、リビルド中に別のHDDにも不具合が発生すると、データの構成が崩れて障害が悪化する。
サーバーから取り外したHDDを間違えた順番で差し込むと、異常を察知したサーバが自動的にリビルドを開始してしまうので、誤った上書きによってデータが消失する。
別のRAIDレベルと勘違いし、誤ったリビルドをかけた結果、データが見られなくなる。
リビルドで状態が悪化する理由として、以下のリビルド失敗事例が挙げられます。

リビルドを試した後、状態が悪化した機器を復旧する場合、当社であっても復旧までの工数が多くなり、復旧料金が高額になることがあります。
やってはいけない対応
RAIDカードの交換を行う

RAID0が壊れた時、RAIDカードを新しいものに交換される方は少なくありません。しかし、RAIDカードには特殊な物が多いため、注意が必要です。
互換性のないRAIDカードでRAIDを構成し直すと、データが見られなくなってしまうばかりか、データの規則性が乱れて、データ構成がバラバラになり、状態の悪化と復旧率の低下を招くリスクがあります。
HDD内部にもファイルシステム異常などの障害が併発している場合、たとえRAIDカードが一致していたとしてもデータを見られるようにはなりません。
やってはいけない対応
ファームウェアのアップデートを行う
RAID0が正常に読み込めない環境で、メーカーサイトの情報を参考にし、ファームウェアのアップデートを行うと、ディスク上の情報が誤って書き換えられ、RAID構成が失われることがあります。
またアップデート後、OSが正常にHDDを認識できなくなることがあり、突然「フォーマットしますか?」と表示され「はい」をクリックしてしまったがために、初期化されてしまったという事例もあります。
RAID0を復旧しよう!
4. RAID0のデータ復旧は当社にお任せください
当社では、全RAIDレベルに対応しており、これまでのRAIDの累積ご相談件数は実に12,088件を超えています。また当社では市販ソフトでは対応していないRAID構成に関しても、独自のツールを使用して対応が可能なため、他社復旧不可のRAID も多数復旧しています。RAID0に異常が発生した際は、電源の入り切りなどの応急処置を試さず、まず当社へご相談ください。

RAID0の復旧に必要な技術
障害の特定

RAIDの正確な復旧作業を行うには、RAID構成やファイルシステムの異常のほか、HDD自体の障害の見極めが必要になります。
当社の場合、RAID0の復旧にはトップエンジニアが障害の診断を無料で対応させていただきますので、まずはお気軽にご相談ください。
※法人のお客様は出張診断も無料で対応しております。
RAIDレベルの把握

RAID0でRAIDを組んでいる場合、障害発生時に筐体のスイッチを入り切りするだけで、簡単にRAID1にリビルドされてしまいます。RAID0がRAID1などの異なるRAIDレベルでリビルドされている場合、データを正常に見ることができません。
データ復旧に必要な分析力や技術力に乏しい業者は、データの配置などからRAIDの正しい組み方を解析する事ができず、誤った復旧処置をしてしまう可能性があります。
当社のエンジニアであれば全RAIDレベルに対応可能なため、RAIDレベルの正確な診断が可能です。RAID1に異常が発生してしまった際に状態の判断が難しい場合でも、専門エンジニアが的確なサポートをさせていただきます。
RAID0を復旧しよう!
5. RAID0を使う上ではバックアップを!
RAID0は容量を余すことなく使え、高速化もできる魅力的なRAIDですが、冗長性がない故に1台のHDDに障害が発生すると全てのデータが失われてしまいます。RAID0の利用の際には、定期的なバックアップを欠かさないようにしましょう。
なお、当社では他社復旧不可のRAID0も多数復旧しているほか、法人様のサーバや持ち出せない機器の場合は、無料出張診断も行っています。「RAID0を使っていて故障してしまった」「どのRAIDレベルを使用しているか分からない」など予期しない事態が発生し、データを損失してしまった場合は、無理に復旧は試みずに当社までご相談ください。
お電話またはお問合せフォームよりご連絡いただければ、RAID専門のデータ復旧アドバイザーが、お客様の情況を伺った上で、考えられる状況やシチュエーションに見合ったご提案をさせていただきます。